悪かったな、不仲で。４

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Aside



朝。


ベッドの上に転がりながら、スマホを眺める。



北斗『今日はありがとう。楽しかった。』



昨日村さんから送られてきたメッセージ。



私は、翌日の朝になっても、まだこのメッセージに返信できないでいた。



もはやこれは既読スルーの段階だよね……



申し訳ない気持ちしかないのだが、いざ文面を考えようとすると言葉に詰まる。



“北斗「……俺ね、……Aのこと、大好きなんだよ。」”



「…………////」



思い出せば思い出すほど全身が熱くなる。



そして、それと同時に思い出す。



“「……誰かを好きになるのが、怖いの……」”



「…………」



自分自身に勝手に植えつけた、トラウマ。



それをあそこで思い出すなんて、村さんに失礼が過ぎる。



「……あぁもう！！」



スマホから視線をそらし、目をぎゅっと瞑る。



村さんと次会うのは、明後日のYoutube撮影。



「……どんな顔して、会えばいいのかな……」



そうこう考えていると、ピコン！！と大きな音をたてて震えた私のスマホ。



思わずビクッと反応してしまう。



そっと宛名を確認すると、



「……こうじ、？」



そこに書かれていた名前は、向井康二だった。



康二『A起きとるー？』



『起きとるよー』



康二『今日空いとる？』



『あいてるよー』



康二『ちょっと友達の誕プレ選びたいんやけどさ、よかったら付き合ってくれへん？』



『全然いいよー！！』



康二『ありがとう！！じゃあ迎えに行くわ』



『何時頃？』



康二『昼前くらい？？』



『りょーかい！！』



康二とのやりとりを終えると、ベッドを飛び出す。



そしてもう一度、村さんとのやりとりを眺める。



「………」



ごめん村さん。



今日だけ、スルーさせて。



たぶん、いや絶対。



村さんのこと考えながら返事するのは



時間が足りないから。

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