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ひかるさんがシャワーに向かって、リビングには阿部ちゃんと2人になった。
手を動かしながらたまーにひかるさんと私の会話に混ざっていた阿部ちゃんは、今はもう勉強に集中している。
手元を見ている阿部ちゃんは自然と節目がちになっていて、綺麗な二重だなぁ…なんてぼーっと眺める。



阿「…そんなに見られると流石に照れるかも」

「へっ、あっ!ごめん!」

阿「ちょっと休憩〜」



ぐーっと伸びをして、へへって笑う阿部ちゃんは悔しいくらいにとっても可愛い。いくらでも休んで下さいなんて思うほど。



阿「言った通りだったでしょ?」

「ん?」



唐突に言葉を投げかける阿部ちゃんは得意げな表情。



阿「佐久間。迷子をほっとけないって。」



朧げな記憶がぼんやりと蘇っていくような気がする。
今みたいにニコッと笑った阿部ちゃんと目線の高さが揃ってて…その時の私は、なんだか凄く安心していた気がする。あれ…?なにに包まれてたんだっけ…



佐「ただいま〜」

「あ、おかえり…」



2人を連れて帰って来たさっくんの。

ふわふわの髪の毛を見た瞬間。



「っ!」



ぶわって顔に熱が集まる感覚に戸惑う。
…待って。私、あの時。
ぎゅうぅって自分の存在を確かめられるみたいに力強く抱きしめられた腕の中は、自由はきかないのに何故か心地良かったんだ。



ーーー…「悲しかったねぇ」



肩に顔を埋めるみたいにされていたから、ふわふわ当たっていた猫っ毛。



佐「んぅ?なーに?どったの」

「な、なんにもない…」



さっくんが最近よく私を子ども扱いするのは、あの日私が彼の腕の中で年甲斐も無く泣いたから…?

くりくりの目を不思議そうに私に向けるさっくんの後ろからピョコッと顔を出したのは「ただいま」と笑う頬の少し赤い康二くんと、「いらっしゃい」と佇む人。りょうたとかダテさんとかって呼ばれてた。



「あ…こんばんは」

向「あかーん むっちゃ眠い…」

阿「寝なよ」

向「んー…」

佐「にゃは こぉじの寂しんぼ〜」



リビングから動こうとしない康二くんにみんなはやいのやいの言ってるけど、その表情はとても優しくて康二くんが愛されてるのがよく分かる。

ただ、1人だけ…



宮「俺はシャワー浴びて休もうかな」

阿「あ、照が今下使ってる」

宮「わかった」



目が合って、「ごゆっくり」ってあの日みたいに綺麗に笑う。だけどさっきの…値踏みするような視線。

きっとこの人は反対派。

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あむ(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!暖かいお言葉嬉しいです^ ^更新がんばります! (3月27日 13時) (レス) @page34 id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お話の流れと展開が好きです (3月26日 21時) (レス) @page36 id: 5ebabfabca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あむ | 作成日時:2024年3月18日 23時

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