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ヒーロー ページ36

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ひかるさんが入居した当時は6人で暮らしていたらしく、男女比率は半々。



"最初に言っておくけど、シェアハウス内恋愛は禁止ね"



そう聞いていたし、彼自身もそう伝えて来た。
にも関わらず、規律を乱す人っていうのはいて。
酷い時は出会い目的で入居して来るような人もいたそう。
入居前の見学とか説明の時とぜんぜんキャラ違うじゃん!ってなるらしい。
そんなの…人間不信になっちゃうよ。



岩「くつろげるはずの家で気を張らないといけないのがかなりストレスだったんだよね。」

阿「当事者じゃなくても気まずいしね…」



遠い目をした2人。
思い出しただけでもやつれるくらい、しんどかったのが分かる。
極め付きにラウールくんの一件だ。
上京して来て心細い少年の心に漬け込んだその人は、執拗に追いかけ回したらしい。それって要はストーカーじゃないか。



岩「元々住んでた奴の友達だし、ファンって言ってたし…って暫く様子見してたんだけど…流石に黙ってらんなくなってきて。」



結局、住人の方が申し訳なさを感じて引っ越して、自称ラウールくんファンのご友人も警察沙汰になる前にそそくさと姿を消したらしい。要は逃げたってわけだ。
きっと、された側は忘れたくてもそう簡単に忘れられないのに。



「…応援してる相手を苦しめるのは、ファンじゃないです。」



怖かっただろうな…
ファンがつくぐらい、立派にお仕事してたってまだ未成年。慣れない場所で頼れる人もまだそう多くは無かったはず。そんなラウールくんの立場を思うと胸が痛んだ。



岩「…そういうとこがね。信頼してもいいのかなって思ったんだよ。」

「え?」

岩「泣きそうになってる。」



彼に言われるまで、自分が唇を噛み締めて何かを堪えていることに気付かなかった。慌てて力を抜くと自分の意思とは関係なくポロって一粒、涙が落ちた。
眉を下げて困ったように笑うひかるさん。
慌てて目元を拭った。



岩「初めて会った日、Aさん佐久間に怒ってたの覚えてる?」



そう言われて記憶を辿ったけど、ピンとこなくて首を振った。



岩「佐久間のことを信頼してるのと、Aさんを信頼するのとはまた別の話だってやつ」

「あ…」

岩「今まで見てきた人はむしろああいう時、ラッキーって上手く乗っかるような人たちばっかりだった。

それに…目黒が気に入るなんて珍しいなって。」

「目黒さん?」



私、気に入られてたの?
そんな自覚は更々無かったけど。

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あむ(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!暖かいお言葉嬉しいです^ ^更新がんばります! (3月27日 13時) (レス) @page34 id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お話の流れと展開が好きです (3月26日 21時) (レス) @page36 id: 5ebabfabca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あむ | 作成日時:2024年3月18日 23時

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