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佐「お!彼氏かもよー?
早く帰れるようになったーって」



…そんな僅かな希望も虚しく。



「…残念ながらユイだ」

佐「あー…あの腐れ縁の?」



中高6年間同じクラスだった友達。
これを腐れ縁と呼ばずして何と呼ぶのか。



佐「どーせまた合コンの誘いじゃん」

「正解」



歯科衛生士をしている彼女は所謂、"ダメンズ"を引き寄せるタイプ。恋人が出来ても長く続かない。
学生時代はクラスの中心に居るような子で、「わたなべ歯科には美人衛生士が居るらしいぞ」って巷で噂されてるとかなんとか。まあ本人談だけど。



佐「んで?行くのー?」

「んー?」

佐「合コン!」

「行かないよー…彼氏いるのに…」



お店のURLと共に送られて来た、『おねがい♪』なんてふざけたスタンプを眺める。



佐「記念日も忘れてるような彼氏だけどねー」



少しトゲのある言い方。
…もしかしてあの人にとっては仕事のほうが魅力的なのかも。あったかいコーヒーと甘いおやつで和んだ気持ちがまた萎んでいく。



佐「腹イセに行ってやれば?人数合わせでしょ?」

「んー…でも…」

佐「じゃーせっかくの記念日に1人寂しくお家ディナーかあ…」



う…それは流石に虚しいかも…
さっくんに言われて家に独りぼっちの自分を想像した途端帰りたくなくなった。



佐「ね?行って来なよ!どーしてもって言うならツイてない同期に免じて迎えに行ってあげてもいいよ?」

「うそ!ほんと?」

佐「あ!味しめんなよ!?佐久間タクシーは高いぞ!」



にゃはってお茶目で優しい同期に後押しされて。


.



ユイ「おつー」

「急に呼び出した人の態度とは思えないな…」

ユイ「うちらの仲じゃん?」



指定されたお店の前に着くとユイの隣にもう1人女の子が居た。



ユイ「こちら私の後輩の佐々木ちゃん。通称サキちゃんね。」

サキ「佐々木です!はじめまして〜」

「あ、椿です…どうも…」



くるんとカールした睫毛にツヤツヤの唇。
全体的にピチピチしてて眩しい。



ユイ「今日の相手、うちの院長のツテだから。
変な人じゃないだろうから安心して」

「安心も何もそんなつもりないし…
彼氏いるって知ってるくせに。」

サキ「そうなんですか?
でも色んな人と出会ってこそ今の恋人の良さに気付くみたいなとこありません?」



ユイ「あーいいよサキちゃん
Aには何言っても無駄なの。男見る目ないんだから。」

「なっ…」



どの口が!なんて思えたのも、この時までだった。

・→←逃げる幸せもなくなって



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あむ(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!暖かいお言葉嬉しいです^ ^更新がんばります! (3月27日 13時) (レス) @page34 id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お話の流れと展開が好きです (3月26日 21時) (レス) @page36 id: 5ebabfabca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あむ | 作成日時:2024年3月18日 23時

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